京都大学世界展開力強化事業(アフリカ)、京都大学アフリカ地域研究資料センターの共催により、市川光雄博士(京都大学名誉教授)によるセミナー “6th IAfP Research Seminar Series / 100th KUASS” が、2021年12月10日に実施されました。本セミナーはオンライン(Zoom)で開催され、計61名が参加しました。
セミナーでは、市川博士が1974年から現在にいたるまでの、コンゴ民主共和国、カメルーンの熱帯雨林に居住する狩猟採集社会の調査・研究の内容を踏まえて、狩猟採集民の多様な自然観や自然利用,農耕民との共存関係やそれらの変容について、具体的な研究成果をまじえて発表がなされた。そのなかで、熱帯雨林に居住する狩猟採集民による森林の認識・理解・活用を明らかにする文化生態学、森林と人びととの相互作用の歴史的過程を明らかにする歴史生態学、政治経済が森林に与える影響を明らかにする政治生態学の3つのアプローチが示された。最後に、近年のカメルーンの人びとと協力して実施している、学術調査と国際協力を組みあわせた共同研究プロジェクトの成果と展望が語られた。質疑応答では、カメルーンの研究者を中心に国内外の研究者をまじえて、カメルーンの狩猟採集民の現状と今後についての活発な議論が交わされました。